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Channel: 舞姫たちへの片恋文
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【浅草】「Merry-Go-Land 1st」エトセトラ

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 このところサボりがちな「エトセトラ」。観劇回数を重ねて十分メインストリームを味わった後でないと「エトセトラ」にはとても踏み込めないところではあるのだが、遊び心いっぱいの公演本編に引きずられる形で、可能な範囲でまとめてみることにしたい。ぜひともみなさまから、訂正・補足・参考情報をお寄せ頂ければ幸いである。


【公演全体】
■「Merry-Go-Land」という公演タイトル。
  花やしきなどにある、日本語で「回転木馬」となる遊具ならば「Merry-Go-Round」であり、
  「Merry-Go-Land」という英単語は、筆者が調べた限り一般名詞としては存在していない。
  では、いったい「Merry-Go-Land」とは何か?
  後述するように、本公演における“隠れキャラ”は「ピーター・パン」であると思われる。
  その「ピーター・パン」が移り住んだ年齢を取らない異世界「Nerverland」から
  「Land」を拝借してきたと推測する。
  その傍証の一つとして、今公演「フライヤー」と
  「ピーター・パン」に登場する「Nerverland」の地図、特にタイトル部分を比較してみて頂きたい。

イメージ 2

イメージ 1
         (上:本公演フライヤー  下:「『ピーター・パン』公開50周年記念セル画」より引用)

■ちなみに日本の男性4人組バンド「Nerverland」の持ち曲に「Merry go land」という楽曲が存在するが、

                                 (「Merry go land」(Nerverland)YouTubeより引用)

  このバンド及び楽曲と、今公演との関係性は不明である。


【1景=矢沢ようこ/マーメイドラグーン】
■「人魚」は「ピーター・パン」では「Nerverland」の一角に住むとされ、ピーター・パンとは仲良しで、
  ウェンディ(後述)を水中に引きずり込もうとして怒りを買ったことがある。

■矢沢がベッドに持ち込む長布には「淡青」と「赤」の2種類がある。
  ちなみに使用順は、3・5日目とも「青・赤・青・赤・青」の順番であった。


【2景=叶咲ゆめ/フェアリーズフォレスト】
■多くの方が感嘆し、「どうやって動きを合わせているのだろう」と首を傾げたM1でのダンス。
  おそらく“体内時計”のような身体のリズムで動きながら、音で進行を較正しているのではないかと推測する。
  途中の特徴的な音との関係性に気をつけて拝見すると、
  「ハトの鳴き声で下手側に腰を下ろして左右に振る」「ウグイスで“顎クイ”から後退」など
  要所要所で鳥の鳴き声と動きがシンクロしていることがわかる。

■ベッドでは「ポーズを切りそうで切らない」「切るかと思うと切らない」といった
  “フェイントベッド”を演じてるので、拍手ポイントにご注意。


【3景=小春/カニバルコーヴ】
■本景のモチーフは、一部の映画ファンの間では“キング・オブ・カルト”の呼び声もある
  1975年のイギリス映画「ロッキー・ホラー・ショー」と考えられる。
  嵐の中、道に迷った恋人同士(矢沢・小春)が古城に迷い込み、
  城の主でバイセクシュアルのフランクン・フルター博士と出会い、
  フルターが造った人造人間「ロッキー」と…というホラー映画である。

イメージ 3
                                      (出典:chicoscontactochicos.es)

  映画ではカニバリズム(人肉嗜食)も扱われていることから、
  本景の「カニバルコーヴ」(人食い入り江)が名付けられたとも考えられるが、詳しくは不明。

■この映画「ロッキー・ホラー・ショー」は「観客参加型映画の元祖」とも言われており、
  コスプレをした観客が集まり、ストーリーの中で紙吹雪をまく、ペンライトを振る、新聞紙をかぶるなど、
  数々の“お約束”をして楽しむという上映方法が広く定着している。
  詳しくは「ロッキー・ホラー・ショー」ファンクラブのサイトなどをご覧頂きたい。

  本景の「水撒き」や「新聞紙をかぶる」などは、その“風習”をオマージュしたものであり、
  そこで傘を差したり、カッパを着たりするのは邪道となるので注意したい。

■舞台上からの「放水」は、2013年7~8月公演「IRIE!」6景で美緒みくるがペットボトルの水を、
  また今年の正月公演「夢 -DREAMS-」5景で、叶咲消防士の指示による消防車の放水という前例があるが、
  今回の「フルター杏野」の放水は、その量や放水先などにおいて比較にならないほど
  “危険”なものと化しているので、大いに楽しみたい(笑)。

■[再使用曲]本景M2は、2011年正月公演2景(前半:彩音しゅり/後半:黒崎優)M1として、
  ポールダンサーに扮した彩音/黒崎が、ポールに上っての演技をしている際に使われた曲である。


【4景=MIKA/チャイルズハート】
■MIKAが演じているのはピーター・パンに憧れる少女、ウェンディ・モイラー・アンジェラ・ダーリング、
  通称「ウェンディ」。
イメージ 4

  そして叶咲は、クマのぬいぐるみを持っているところなどから推測して、
  ダーリング家3姉弟の末っ子、「マイケル・ダーリング」であると考えられる。
  「Nerverland」「マイケル」などとの係り結びが、ここにも顔を出しているといったら考えすぎか。

■サイドの大白幕に映し出される影絵とシルエットダンス。
  下手側のモチーフは、ウェンディが憧れていた「シンデレラ」であると思われるが、
  では上手側は?「Nerverland」で出会う「フック船長」は、本景ではまだ時期尚早。
  そのヒントになりそうなのが、9日(土)に開催された、
  「MIKA5周年記念イベント『矢沢ようこpresents るり柳徹子の部屋 ゲスト:MIKA』」イベントでのひとコマ。
  イベント中、るり柳さんの「ではCMでぇ~す」という声をきっかけに、
  通常公演ではシルエットとして白幕の向こう側で踊っているダンサー4人が登場し、
  本舞台前側で照明の下、ダンスを披露するという希有な場面が見られた。
  通常はシルエットにしかならないにも関わらず、きちんと衣装を着込んでいる
  (考えれば当たり前ではあるが…)その姿を見ると、上手側の2人は“アラビアンスタイル”。
  それに近いのは「シンドバッド」あたりではないかと筆者は愚考するのだが…。


【中休憩】
■「マナームービー」。1人だけ本公演では見掛けない衣装の方がいる。
  前列左から2番目の“トリ席”に座る川上。その姿は「ピーター・パン」であると思われる。
  すなわち川上は本公演の“隠れキャラ”「ピーター・パン」であることがひっそりと示されている。
  さらに中休憩後の5~7景では、川上の衣装色は「ピーター・パン」のモチーフカラーである
  「緑」に統一されているように見える。

■「るり柳徹子の部屋」の原盤はこちら。オプラ・ウィンフリーがインタビューした番組、
  「Michael Jackson - ネバーランド初公開インタビュー 1993/2/10」である。
 
                                                   (YouTubeより引用)

  驚くべきことに(笑)、るり柳さんの質問については、すべて原盤通りで一切改変されていない。
  原盤では、
   「着席インタビュー」は「7分02秒~」
   「股間に手を…」は「31分17秒~」
   「童貞ですか?」は「36分05秒~」
   「子供の心」は「45分00秒~」
   「アカペラ」は「50分50秒~」
   「声変わり」については「6分46秒~」
  に収録されている。関心をお持ちの向きはご確認頂きたい。

【5景=初芽里奈/インディアンキャンプ】
■[再使用曲]M1は、2013年2~3月公演「FASCINATION」
  1景“ゾウさんと一緒”(1st:叶咲ゆめ/2nd:真白希実)のM1を再使用。
  さらにM2は、2012年2月公演「ROCK-ZA OF LIGHTS ~浅草の幻影たち~」
  3景“三枚起請”(牧瀬茜)のM2と同一曲である。再使用曲が2曲続くのは珍しい。

■初芽がベッドに持ち込む持ち道具には
  「赤い羽根」「髪を束ねるリボン」「くるみを束ねたような打楽器」の3種類が存在する。
  もちろん持ち道具によってベッドの演じ方も変わることから、いわゆる「浅草ベッド3個出し」である。
  ちなみに5日目の実績は「リボン・赤羽根・打楽器・赤羽根・リボン」。


【6景=杏野るり/スカルロック】
■本舞台中央に置かれる操舵室を模した台。その下部には長方形にくり抜かれた部分がある。
  ある回の群舞中盤、突如ここからドライアイスのスモークが噴き出してきた。
  かと思うと、別の回には稼働することなく群舞パートが終了。どうもスモーク稼働にムラがあるようである。

■既に多くの“理系観劇者”の方々からご指摘があるように、群舞パートで川上がいたずらして舵輪を回す時、
  「右」に舵を切った時に海賊たちも同じ「右」に飛んでいく動きをしているのは、力学的には不可解である。
  例えば「右」に舵を切って船が「右」に曲がると、遠心力で乗っている人は「左」向きの力を感じるはずで、
  舵輪を回す方向と、海賊たちが飛ばされる方向とは「逆向き」でなければならないのである。
  もっとも、力学的に忠実に演じて、舵輪を回した方向と逆向きに海賊たちが飛んでいったら、
  それはそれで観客的には違和感を覚えるに違いないので、筆者は現行の演じ方で良しとしたいと考える。

■舵輪の取っ手、壊れやすそう。5日目だけで、3回目はもげて飛んでいき、5回目には折れてブラブラと。
  「2nd」まで見据えた“強化工事”が必要かと思われる。


【7景=川上奈々美/ネバーランド】
■「新人さん」が「浅草トリ」で「デビュー」となるのは、
  2011年11月公演「和物レビューばさら」後半組の橘ひなた以来、3年半ぶり。
  ちなみに現在も出演がある「浅草トリシスターズ」の中で「新人で浅草トリデビュー」だったのは、
  矢沢ようこ・伊沢千夏・白石美咲に限られる。

■群舞終盤、本舞台後方でダンサー2人が振る大漁旗は、
  宝船に浅草ロック座のロゴが入った本格的な特注品。


【フィナーレ】
■川上が歌うオリジナルソング「未完成ピエロ」。歌詞カードがロビーにて配布されていた。
  いきなり一緒に歌うのは難易度高過ぎかもしれないので、
  まずは「ハンズアップ」ポイントを見定めるところからどうぞ。

イメージ 5
                              (ロビーで無料配布「未完成ピエロ」歌詞カード)


(敬称略・観劇日:平成27年5月5日(火・祝))

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