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Channel: 舞姫たちへの片恋文
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4月中【晃生】レビュー

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 去年「7月結【晃生】レビュー」の前文でも触れたことがあるが、「晃生」では前盆にヒールを履いたまま乗ることは御法度になっているという。このため洋舞の演目などでは、前盆入り直前で縁に腰掛けるなどしてヒールを脱ぐ場面が見られるが、その「応用編」として、前盆への「いすの持ち込み」にも制限があり、前盆にそのままの状態でいすを運んで使ってはいけないらしい。
 では、いすを使う演目はどのようにすれば上演出来るのか。その解答の一つをこの日、拝見することが出来た。それは「前盆にあらかじめ『円形ラグ』を敷いておく」という対応である。「晃生」で演じるためにラグを追加で揃える、という手間暇を掛けてまで、いすの演目を出してみせた舞姫の心意気に拍手を贈りつつ、4回目を観劇。


(1)【萌】
本休憩を利用して、前盆に白のモコモコラグを敷いてスタンバイ。
リズミックなインスト曲で明けると、本舞台上手にセットされた“可動盆”の上に飾られた白大羽根扇子の中から
ピンクの羽根がついたウィッグに、
ところどころに大きな丸い穴が開けられたようなピンクの全身タイツに身を包み、
ピンクのしっぽをつけた“ピンクパンサー”スタイルで登場。
しっぽをつかんでの、ゆっくり大きくセクシーな手の動きで本舞台にて舞っていき、
前盆に転がり込んで寝そべると音楽を渡る。
音楽をアップテンポな洋楽女性ボーカル曲に変えると、
前盆かぶり客にじゃれついた後、本舞台に戻り、テンポを上げたダンスを舞ってから再び前盆へと進む。
しっぽでかぶり客の頭を「なでなで」するなどして遊んでから本舞台に戻り、
音楽をスローなジャズの洋楽男性ボーカル曲に変えて、全身タイツの左半身をはだけてみせると、
本舞台上手の鏡の前での立ち姿から、下手袖の柱に手をついての片足振り上げなどのバランス技を見せる。
さらに中央で上半身をはだけ、前盆縁に腰を下ろしたところから、前盆ラグの上に四つん這いで進む。
両ひざ立ちから羽根腰飾りを下ろし、ついで全身タイツを脱いで、
袖口にピンクの羽根がついたアームカバーをつけた姿に替えると、
音楽をリズミックな洋楽女性ボーカル曲、強制翻訳邦題“電話”に変え、
いったん本舞台まで四つん這いで戻り、上手の大羽根扇子の陰に入って足首周りに羽根飾りを着ける。
そして羽根扇子2本を手に、大きくゆったりと本舞台にて舞ってみせる。

大羽根扇子を手にしたまま再び前盆へと進み、立ち姿で羽ばたかせながら一回りすると腰を下ろし、
音楽をリズミックな邦楽女性ボーカル曲に変えると、
白レースの大きな花形クッションを胸前に当てながら「L」のポーズを繰り返し切っていく。
ついで「片ひざつき片ひざ立ち片手つき」での腰のあおり上げを繰り返し、
四つん這いでの片足振り上げを重ねてから「シャチホコ」のポーズを決め、
正座で両手を振り上げて舞うと立ち上がり、大羽根扇子を手に本舞台に戻り、振り上げてのラストへ。


(2)【葵 マコ】
エスニックテイストの女性ボーカル曲に乗って、コインアクセサリーの乾いた音を響かせながら、
前髪に白ビーズが垂れる白ベールに、白とピンクのアラビアンセパレート姿で、
アラビアンダンスを本舞台から前盆を行き来しつつ一舞。
音楽をリズミックなエスニックテイストの洋楽女性ボーカル曲に変えると、
前盆まで往復しつつベールとセパレートアンダーを外して、
輝くシルバー飾りがついた赤シースルー長布を肩に掛け、
メタリックビーズフリンジが下がるアンダー姿で、前盆まで往復し、長布を置いてトップスを外していく。
コインアクセサリーが下がるビキニトップに、フリンジつきアンダー姿で前盆まで往復しつつ舞い、
トップスを外した立ち姿で暗転。
風が吹きすさぶ音が響く中、フリンジつきアンダーで長布を頭からかぶったひざつきの姿勢で
ミニシンバルを「カーン、カーン」と鳴らしながら明ける。
音楽をスローリズミックな洋楽女性ボーカル曲に変えると、長布を掲げ広げつつ前盆へと進む。

ベッド前半、両ひざつきで“男性”を指で包み、口で頬張るような動きから、
四つん這い、さらに両ひざ立ちへと姿勢を変えてアンダーを外すと、
女性上位での“エア・セックス”に耽っていく。
さらにあお向けで足首につけたグングルを鳴らしながら腰を激しく振ってみせていく。
音楽を、水音が響くヒーリング系インスト曲に変えると、
横臥位から後背位で果て、前盆に伏せた姿で音楽を渡る。
スローに歌い上げていく邦楽女性ボーカル曲、強制翻訳邦題“行列”に音楽を変えてのベッド後半では、
両ひざつきでの上体倒しから起き上がり、「スワン」のポーズや、
腰を下ろし、両手を後ろについて両足を浮かせる形を見せていく。
ついで「スーパーL」や「シャチホコ」のポーズを切り、
あお向けでの両足交錯から「片ひざつき片手差し上げ」「3点支持」のポーズを決めて、
「3点ブリッジ」を架けて立ち上がる。
長布を手にして身体に巻き、ゆっくりと本舞台に戻ると、振り向いて長布を外し落としての立ち姿でのラストへ。


(3)【松本幸奈】
アップテンポなボカロ系邦楽男性ボーカル曲、強制翻訳題名“Hi-Fi海苔”に乗って、
赤黒ツートンのヘアバンドに、黒地に赤リボンがついたトップス、
黒フリルがついた赤のティアードミニスカートに黒のシルキーなレッグカバーを着けた姿で、
“ちょいブリ”の入った“元気系”ダンスを本舞台から前盆まで行き来しつつ一舞。
暗転で袖に引き、ピアノ伴奏のリズミックな洋楽男性ボーカル曲で明けると、
白フリルが飾るネオンイエローのロングベッド着に替え、手話を交えての大きな手の振りで本舞台にて舞うと、
裾を持って大きく広げながらしなやかに舞っていき、前盆へと進む。

ゆっくりと腰を下ろすと、音楽を澄んだ声で歌っていく洋楽女性ボーカル曲に変えてのベッドでは、
腰を下ろし、ベッド着の前を開いての座り姿で進め、「片ひざ立ち片足伸ばし」の姿勢から、
後ろ手をついての両足交錯、「L」や「片ひざつき片手差し上げ」
「スーパーL」「シャチホコ」「3点支持」のポーズを決めて立ち上がる。
ベッド着をふんわりと広げながら本舞台に戻り、ターンを重ねてから一礼して締めくくる。
引き続き「タッチショー」へ。


(4)【七海セーラ】
ワルツのリズムで英語の男声コールが重なる洋楽曲に乗って、
白とピンクの花が咲くヘアバンドに淡いピンクの裾広がりドレス姿で、
マラボー様の白布を後ろを通して両腕に掛け、白やピンクのブーケを手に
ゆったりと優雅な舞姿を本舞台から前盆にて披露していく。
本舞台に戻ると、スローな洋楽女性ボーカル曲に音楽を変え、ブーケを前盆に置いてから
本舞台にてゆったりとしたターンや裾を持ち上げての舞を見せ、暗転で袖に引く。
アップテンポの洋楽女性ボーカル曲で明けると、
白レーストップス、淡いピンクのミニスカートに白薄布を重ねたミニワンピース姿に替え、
本舞台と前盆を行き来してのゆったりとしたダンスを展開していく。
途中でブーケを手に本舞台で緩やかに笑顔を浮かべながら舞っていき、暗転で袖へ。
ピアノ伴奏で歌い上げていく洋楽女性ボーカル曲で明けると、
ワンピースに白布マラボーを後ろに通して両腕に掛けた姿で登場し、前盆へと歩み入る。

ベッド前半、マラボーを前盆に置くと、ひざつきから腰を下ろして大きな片手の振りで進め、
ついであお向けに倒れると、
再び起き上がって足を横に流した姿でブーケを身体の前に携えた姿で音楽を渡る。
ピアノ伴奏で歌い上げていく洋楽女性ボーカル曲に変えてのベッド後半では、
ブーケを手にした両ひざ立ちから「スーパーL」のポーズを切り、
四つん這いであおり上げてからの「シャチホコ」や、ブーケを片手に舞ってみせての「L」のポーズを決めていく。
さらにブーケを差し上げての「スワン」や「片ひざつき片手差し上げ」「スーパーL」のポーズを切って立ち上がり、
白布マラボーを腕に掛け、ブーケを手に本舞台に戻って立ち姿でのエンディングへ。


(5)【翔田真央】
上演前、前盆にラグを敷く準備作業をしてからスタート。
リズミックな邦楽女性ボーカル曲、強制翻訳英題“Others' Relation”に乗って、
桃の花が咲く青緑色の着物に赤帯を締めた姿で、
ゆったりとした色気を漂わせながら本舞台から前盆にて一舞。
音楽をリズミックな邦楽男性ボーカル曲、強制スリーレターコード化題名“TYO”に変えて、いったん袖に引くと、
黒のつば広帽子にシルキーホワイトとブラックのロングドレス姿に替え、
クールでメリハリのあるダンスを本舞台にて舞ってみせる。
音楽終わりで、いすを本舞台下手から引き出し、片手をついた姿勢で音楽を渡る。
スローリズミックな邦楽男性ボーカル曲、強制翻訳英題“Sad Color”に音楽を変えると、
いすに腰掛けてから、ゆっくりと立ち上がってドレスを脱ぐと、
黒のカップレスビスチェに黒網タイツ姿でいすに腰掛け、ゆっくりと両足を交錯させて、
後ろにもたれた姿で音楽を渡る。
ピアノ伴奏で歌っていく邦楽女性ボーカル曲、
強制翻訳英題“Flower placed in Water”に音楽を変えると、いすを引いて前盆へと進む。

前盆に置いたいすにゆっくりと後ろ向きに座ってから、両足を持ち上げて交錯させ、
音楽をピアノ伴奏で歌っていく邦楽男性ボーカル曲、強制翻訳邦題“さよなら日”に変えると、
いったん立ち上がって座り直し、いす上で両足を揃えて振り上げてから「V」のポーズを切る。
ついでゆっくりと立ち上がり、いすに左足を上げると、背もたれにもたれかかってから、
「上げ足上げ手つかみでの片足上げ」のバランスポーズを決め、ひざつきに姿勢を下げていく。
さらに、背もたれに片手をついての「Y字バランス」を決め、再びいすに腰を下ろすと、
ゆっくり場内を見渡してから立ち上がり、いすを引いて本舞台へと戻る。
本舞台下手へと展開してから、横に足を流した姿勢でいすに腰掛け、帽子のつばに手を添えた姿で締めくくる。


 「『晃生』鬼門の火曜日」4回目は観客11人で20時14分にスタート。番手が進むにつれ少しずつ場内が寂しくなっていき、そのたびにドキドキさせられたが、何とか持ちこたえ、22時35分に6人が見守る中での終演となったのだった。

(敬称略・観劇日:平成27年4月14日(火))

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